どっちつかずのキミ。








「…まだ、やり直せるかな―?」

仲直り、出来るかな…。

ぽつりと独り言でそう呟いた。

あたしは自分から、浬と絶交しておいて急に不安になる。

…絶交なんて、やっぱりするもんじゃないね。

その人との関係が拗れるだけじゃない。
もう最悪、その繋がりが破綻するかもしれないんだ。

あたしは今になってやっと、そのことに気づく。

何も考えずに、ただ腹立ったから絶交してやろうと思ったけど、それは間違っていたんだ。


馬鹿だった。いくら何でも、考え無しだったと思う。


…浬だって、痛かったかもしれない。

あたしだけが胸を痛めていると思ったけど、実は浬もそうかもしれない。

もらった手紙には、どこか絶交を歎くようなそんな響きがあった。

確かに、誰だってやっぱり絶交なんてそんなの嫌だよね。

そりゃ悲しむよね。歎くよね。

浬だって・・・。







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