どっちつかずのキミ。

あたしは、面と向かって謝りに行く勇気が欲しくて、授業中とりあえずノートに気持ちを書いた。

｢浬、

ゴメン。
あたし、浬にサイテーなことした。

許してくれるかなぁ。

許してくれると思わないけど、
あたしは浬と仲直りがしたいです。


実羽｣

後はこれを言葉にすれば良い。

あたしはドキドキして後ろの方にいる浬を振り返った。

浬は意外と授業中は真面目で、黒板に板書してある字をノートに取っていた。

…サラサラ、サラサラと。

シャープペンでノートに書き写している浬の姿が鮮明で、あたしは目が離せなかった。

ジッ、と見つめていたら目が合って、浬はこっちを向いた。

すると、浬はあたしに向かってパクパクと口を動かし、何かを言ってきた。


………………………？


あたしは浬が何と言っているか分からず、首を傾げた。

もう一度、浬が何かを言った。


よくよく、浬の口元を見ると、


“ご”

”め“

“ん”

”な“

。

浬は苦しそうな悲しそうな何とも言えない顔であたしを見て、辛そうに笑った。




…どうして。


どうして浬が謝るの…？

悪いのは大体あたしなのに。

浬にあんな顔させてるのはあたしなのに…。







.