どっちつかずのキミ。








〜昼休み〜



あたしが綾と教室でお弁当を食べている時だった。


「実羽、今日一緒帰んね〜?」

浬が突然そう誘って来た。

「浬…いいけど。どうしたの?」

あたしは不思議に思って首を傾げて浬に尋ね返した。

「ヤ、あのさ…」

何か言い掛けた浬に、綾がピクッと反応して、あたし達二人の会話に割って入って来る。

「へぇ〜お二人さん二人で帰るんだぁ?そっかぁ。あたしは一人のけ者…仲間ハズレかぁ…」


「えっ!もちろん綾も一緒だよ!ね、浬?」

あたしは慌てて浬に同意を求めた。

「ぉ、ぉお…」

浬はためらったような焦ったような声で答えた。

良かった!

浬と二人だと緊張するもんね。

まだ仲直りしたばかりだったし。


でも誘ってもらえたのは嬉しい。

男のこに誘われたのは生まれて初めてだよ―。

綾以外の人と帰るのも…。

あたしはニコニコして、二人を見比べた。








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