どっちつかずのキミ。
そして、放課後になった。
「綾、浬!帰ろお〜!!」
あたしは帰り支度をしてクルッと二人を振り返った。
「実羽…やっぱあたしはいいわ。ちょっと用事思い出したし―。
だから二人で帰ってよ」
綾がいきなり肩をポンッと叩いて、あたしの目を見てそう言ってきた。
…えっ?!綾?!
あたしは呆然として何が起きたのか分からなかった。
―まぁ、もう仲直りしたんだから仲良く頑張って―
ポソッとそう呟くと綾は去って行ってしまった。
「吉井は?」
「―さぁ…何か、二人で帰ってて…」
あたしは浬の言葉にも戸惑いながらそう答えるしかなかった。
そうして三人で帰るはずだった道をあたし達は微妙な距離を取って帰った。
男のこと二人きりで帰ったこと等あたしの人生初で、何を喋ったら良いのか分からなくて困り果てる。
その結果、
「…浬、何か喋ってよ」
あたしは沈黙に耐え切れなくなって、浬に無茶ぶりをする。
「…何で俺?」
予想通り困った顔をする浬。
だって、浬から誘って来たのに―。
という目であたしは浬を見た。
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