どっちつかずのキミ。







「み〜うっ!笑って☆」

プリクラをセッティングして浬はこっちを振り返り見る。

「笑ってるじゃんよ」

あたしは浬を見て頬を突っ張った。

「笑ってねぇーじゃん。何その無愛想?

ホラ、可愛い顔、可愛い顔。」

といって、浬はあたしの頬をビヨーンと引っ張る。


…ちょっと。引っ張らないでよ。

余計顔が可笑しくなると思うんだけど。


――ていうか、あたし今触られてる。

浬に、顔を。触れられてる・・・。

きっと、今あたしの顔あかい。茹でたこになっちゃいそうなくらい。

どうにかなっちゃいそう。


「―あ…取るぞ」

浬のその声を合図に、機械が音を立てる。

(…ひゃぁ〜)
―パシャッ!



そして、数分後プリクラが出来た。


うわぁ…、
あたし思った通り変な顔してるし。(あの時慌ててたから…)

プリクラを見ると、そこには半目で口をポカンと開けた何とも間抜け面をしたあたしの顔。


「出来た?見して?」

浬がヒョイと覗き込んで来てあたしが持っているプリクラを見た。

「…ぶッ!実羽の顔、ウケるっ」

そしてそう吹き出して笑う浬。


…何よ、元はといえばこれも浬のせいでしょ―。

あたしの顔をこんな風にしたのは、浬なんだから。


そう言いたくなるのをあたしはグッと堪えた。






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