どっちつかずのキミ。
―決めたっ!もう絶対浬となんかプリクラ取らないもんね!!
あたしは一人ムカついて勝手に自分の中でそう決め込む。
だってあれが浬のドツボにハマったみたいで、いつまでも浬は笑いが止まらずにお腹を抱えて一人で笑い転げているんだもん。
「…あー、楽しかった。笑
でも…
この実羽も、可愛いよ。」
浬はまだうっすらと目に涙を溜めて笑いながらも、取りたてのプリクラを見て微笑んだ。
―またそんなこと言って…。
騙されないもんね!
「何それっ!散々人の顔で笑っといて!!
全然嬉しくない!」
「あー…そんな怒んなって。
でもさ、良い思い出になったよな?」
・・・確かに―。
そんなこんなで、やっと仲直り出来たあたし達。
「プリクラ分け合いっこしよっか」
…分け合いっこ。
なんてことない浬の言葉一つでも嬉しくて。
「…うん」
あたしは素直に頷く。
それからプリクラを平等に分け合い、ゲームセンターから出ると、あたし達は家へ向かって歩き出す。
「俺、実羽のこの顔携帯に貼ろーかな…」
「?!ダメダメ!そんなの絶対ダメっ」
浬の発言を聞いてあたしは慌てて止めた。
「あはは…嘘ウソ。冗談だって。
これは俺だけの秘密ー」
そう言われ、あたしは真っ赤な顔になる。
だからまさか、そんなあたし達の様子を物陰から誰かがジーッと、こっちを窺っているなんて、あたしはちっとも思いもしなかった。
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