どっちつかずのキミ。








「ゴメンゴメン、みうみうが可愛いくて。つい」

綾は少しも悪気がないように笑って言った。

可愛いくて、ついって何…?
面白くての間違いじゃないの?

あたしは綾の言葉に訝しく思って眉を潜めた。


「あ〜、でもさ…?浬クンはみうみうのこと、気になってるかもよ?」


「何で?」


綾が言ったことが聞き捨てならなくて、あたしは直ぐさま聞き返す。

浬があたしを気になってるって?
そんなことある訳ないじゃん。


「いや、だってさ〜、普通好きでもないこをからかうかなぁ?」

「からかうんじゃないの?ただ楽しんで、遊ぶために。」

あたしは絶対そうだと決まってるとばかりに言った。

「何せ、相手は女慣れしてる遊び人ですからね」

そう付け加え、あたしはチューと紙パックの飲み物を飲んだ。

そう…浬は遊び心でただ面白いからあたしをからかってくるんだ。

そうとしか他に考えられない。

だって、あたしだよ?
今まで彼氏いたどころか、モテたこともないから。







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