どっちつかずのキミ。
「浬…浬…浬―」
こっちへ来てよ―早く…。
何度も浬の名前を呟き、そうっと囁く。
まだキミが好きかは分からない…。
嫌いではないから、好きな方なんだろうけど。
これは恋なのか、何なのか・・・。
(―あたし自身も分からない‥・。どっちつかずのキモチ―)
あたしはふと、自分の唇に手を当てた。
そうして思い出すのは、あの日したキスの余韻―。
あたしは、キスはあれが初めてで、頭が真っ白になって何も覚えていなかったけど、それでもあのキスの感触は今でも忘れない。
本当は―…嬉しかった…のかもしれない。
初めての相手が、浬で。
良かったのかもしれない。
あたしは…やっぱり―浬のことが好きなのかもしれない―・・・・。
「…みう! 実羽ッ!!」
ちょうどその時、何処からかそんな声が聞こえた。
―――この声は・・・・浬?!
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