どっちつかずのキミ。








「いーや逸らした!

てか何でこっち見ねぇんだよッ、実羽。」

浬はしつこいくらいにあたしの顔を見ようとする。


「ぅ‥・うるさいっ!

逸らしてないったら逸らしてないッ!」

あたしはあさっての方向を向いたまま、浬から離れようとズンズン歩き出した。

‥・ドキドキ。

(止まない、この音。でもさっきよりはマシになった‥・かも)


――バサッ!


‥・ん?
今、あたしの頭上に何か降ってきた―?

―首を傾げて、それを見ると。
………タオル?


「おー!よっしゃ命中!」


浬がガッツポーズで歓声を上げた。


「命中って何!?

あたしを何だと思ってんの!」

あたしの言葉に、遊び心たっぷりに浬がニッと笑う。

「お前が俺を見ないのが悪いんだー!

よって、そのタオル洗って来いー。」


「は‥・はぁ?

い、意味分かんないし!」


(バクバクバク‥・)

あたしの心音が、上がり↑下がり↓激しいこの頃。


あたし達は、この通り相変わらず(でいいのか‥・)。







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