どっちつかずのキミ。
「…あー!みうみういたッ!
も〜ドコ行ってたのよ?授業抜け出して―…って、あれ?
顔赤いよ…?また…何かあった?」
―綾!
あたしは体育館から出て来た綾とばったり遭遇した。
「…ぅ、うぅん!何でもない!!
大丈夫!これは…ただ!
ただ、そう!熱気にやられたのッ」
あたしはパタパタ手を仰いで笑ってごまかす。
あの嫌がらせの一件があってから、綾はあたしを前よりも増して心配するようになった。
だから、あたしは綾にまた心配を掛けないよう、苦し紛れの嘘を付く。
「…そう?なら良いけど‥・気を付けなよ?
ホラ!みうみう、外にいたら熱中症になるよーまだ暑いんだからッ
」
と言って綾はあたしの背中を押して体育館内に入れた。
あたしはコクコク素直に頷いて綾にされるがままに従った。
…綾、ゴメン。あたし、また嘘付いた―。
本心は綾への罪悪感でいっぱいだった。
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