どっちつかずのキミ。








あたしが体育館の中に入ると、体育の授業はもう終わっていて、ほとんどの生徒が着替えを済ませていた。


「あたし達も早く着替えよっかー。
次お昼ご飯だし!」

綾の言葉であたし達は女子更衣室に向かった。

そこで制服に着替えをしている時、あたしを見て何を思ったのか綾がポソッと呟く。

「みうみう‥・最近、何だか変わった」


―…へ?

あたしが?変わった―?


「何ていうんだろ‥・何か、前よりずっと生き生きしてるように見える…」


…生き生き―?

あたしは不思議に思って首を傾げる。

「ゴメン。意味分かんないね。

ただ何となくそう思っただけ!」

綾はアハハッと笑って制服のシャツに腕を通した。


―あたし今…生き生き…してるように見えるんだ。

あながちそれは間違いではないと思う。


あたしが制服のシャツのボタンをとめる度に伝わる、心臓の音。

まだ少し、ドキドキ言ってるよ。(まだ落ち着いた方だけど…)

これは、何のドキドキ―?

もしかすると、これが綾の言う生き生き…しているということなのかもしれない。


あたしは制服のボタンを最後までとめて、心音を確かめる為そっと自分の胸に手を当ててみた。(やっぱり、こんなことする自体おかしいかな…)







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