どっちつかずのキミ。








「何?いちごみるくなかったの…?

みうみういつもそれ買うのに―…って、あんた、飲み物は?」


―え?

綾の言葉に、あたしはキョトンとして自分の手を見る。


ない…?!

あたしのいちごみるくが…ない!!(泣)



―そういえばあの時…、

浬にいちごみるくのこと笑われて―意識しちゃって…それで…それで…いちごみるくは、、、


「あー!

自販機の中…置いて来た…」

あたしはやっとのことで思い出し声を上げていた。


買ったのに…買ったのに……。

折角買ったのに………。

いちごみるく自販機から取らずに、置いてきちゃったよ…。


「自販機の中!?何やってんの?

まさか取ってない訳?馬ッ鹿じゃない!?みうみうどんだけ抜けてんのよ!

もうさすがに誰かに取られてるって!」


綾の言葉が、あたしに追い打ちを掛けた。


嗚呼…あたしのいちごみるく……(歎)




―ガラッ。


それで落胆しているあたしには教室に入って来た人物が、目に入らなかった。(ていうか気付かなかった…)







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