どっちつかずのキミ。








あたしは浬から目を逸らし再び携帯に向き直った。


「なぁ実羽ー…さっきから何見てんの?メール?

俺淋しいから構ってよー」

浬がそう言ってあたしの机に揺さ振りを掛けて来た。


「もう…五月蝿いなぁ。メールだってば。

大体、何であたしが
あんた相手にしないといけないのよお…」

あたしは浬を五月蝿い蝿を掃うようにあしらって、相手にしなかった。

こんな奴、一々相手にしていたらキリがない。



「…あ!今、実羽ンとこに変な虫みたいなものがっ」

そこで浬が突然、あたしの机の上を指差してそう叫んだ。


「えっ?ドコドコ!」

あたしはパッと机から飛びのいた。

「うっそ〜。騙されたー。

実羽騙されやす過ぎだろ〜!

こんな手によく引っ掛かるよな〜」


…またからかってたの?

ヒドイ…
「浬のばかッ!もうあたしで遊ぶの止めてよッ!!

あたしは浬のおもちゃじゃないッッ」


浬にはっきりそう言ってやった。

もう遊ばれるのは懲り懲りだった。

いつまでも、からかわれてばかりのあたしじゃない。









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