どっちつかずのキミ。









実羽の方をずっと見つめていたら、不意に実羽がこっちを振り向いた。(お!)

一瞬、目が合ったが実羽は逸らした。(何で逸らすんだよ…!)

―でも何か…実羽の顔が赤い気がするのは気のせいか―?(俺の目がおかしいのか…)


実羽はふいっと黒板に向き直ってしまう。

―残念…。一瞬でも多くもっと見ていたかったのに。

こんなちょっとしたことに、嬉しくなったり切なくなったりするのは女々しいだろうか。(俺はおかしいかもしれない…な)


だけど、俺も男だ。

だんだん欲が強くなり、こんなもんでは満足できなくなる。


俺はやっぱり実羽を手に入れたい。

もういつまでも気持ちを抑え切れそうになかった。(結構我慢してんだよ、これでも…)

やっぱり、好きな女の「一番」になりたいと思う。


そうしてまた一瞬でも、実羽の視線を独り占めしたくて俺は実羽をじっと見つめ続けた。








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