どっちつかずのキミ。









*実羽Side.



何だかずっと後ろから浬の視線を感じる―…。

それはあたしが単に自意識過剰なだけかもしれないけど。


さっき振り向いたら目が合ったし。(すぐ逸らしちゃったけどね…)

あたしの間違いじゃなければ、自惚れじゃなければ、浬はまだあたしを見ている。

だったら…もっと見て、気になって。

いっぱいいっぱい気になって欲しい。

そうしてあたしのこと…好きになってくれたら嬉しい。



数学の授業はサッパリで、ちんぷんかんぷんなあたしはフワッと大きな欠伸をした。

50分の授業は長い気がする。

…何ともつまらない。

浬と話すことが出来ない時間は、あたしには意味がない気がした。(少しの時間話せないだけなんだけど…)

今は休み時間になるのが、すごく待ち遠しい。



その時、ちょうど授業終了を告げるチャイムが鳴った。(やっと待ちに待った休み時間だ…)



「かいり…「浬くん!」


だけど不運にもあたしが浬の所へ行こうとしたら、同じクラスのこに先を越されてしまった。







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