どっちつかずのキミ。









「…みうみう!?」

あたしを呼び止める綾の声も聞かず、気付くとあたしは教室を飛び出していた。

耐えられなくて…
他の子といる浬を見たくなくて…

走りながらあたしの目からは、ポタッと涙が一粒零れた。

浬には他の子と話さないで欲しかった。

あたしだけを相手にして欲しかった。

そんなのは単なるあたしの我が儘で、欲張りだって分かってる。

だけど、やっぱりあたしはどうしようもなく嫌で・・・
どうしようもなく受け入れたくなくて・・・

もう見ていられなかった。


だから、また逃げ出してしまった。

あー弱いよね、あたし…。

いつも逃げてばっかりで、目を逸らしてばっかりで。

もーダメだよね、あたしは……。

だけど自分でも、もうどうにも歯止めが効かなくなっていた。



その時、授業開始を告げるチャイムが鳴って、休み時間が終わった。

それでも、あたしは授業に出る気にはなれなくて、階段を上り屋上に向かった。(あともう1時間だしサボろう…)








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