臆病なサイモン








ポジティブにムードメーカーぽく装って、周りのやつらにハナシ合わせて、ダラダラ『ダチンコごっこ』続けてきたバカな俺。

しかも、そんなもんだろ、なんて諦めて開き直ってたバカ八乗の俺。

きっとなにも知らないまま、知ろうともしないで、硬い殻に閉じ込もって、ダチンコを裏切り続けてきた。

自分が火傷すんのが嫌で、、周りの気のイイやつらを煙たがってばっか。


サイテーじゃんな、俺。




『―――随分おざなりな「ダチンコ」だね、君にとってのブラザーは』


そして今。

そんな欺瞞をぶん殴ったダンゴの言葉をループして、俺は、脱皮しそうになっている。


新・サイモン。

脱皮して「旧」から「新」に成り代わる時、俺はなにを思うのだろう。

感慨深く、「昔の俺」に手を振るのか。
…案外、なにも思わないのかもしれない。

ドライな現代っ子だから。



「…コーコーセーかあ」


高校上がって脱皮したら、今まで悩んできたもの、今悩んでいるなにもかもを、足元で列を茄子アリのようにしか考えられなくなるのだろうか。






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