臆病なサイモン
「第一問!」
SKYブラザーがハイテンションで叫ぶ。
こんとこいつSKYだわ(使用例)。
俺はそんなブラザーよりコッペパンとダンゴの機嫌が気になるが、ここは教室。
下手にダンゴには構えない。
…から、放課後の屋上が尚更コワイ。
「さあ地獄のテスト期間も終わって、次に自由解放軍の俺らを待つものは!?はい!サイモンくん!」
超絶ハイテンションでセンセー宜しく俺を指差す。
てか、なに自由解放軍て。
ゲームのし過ぎだろ。
オマエいちお受験生な。
いや人のこと言えねーけど、サイモンくんも。
で、そんなSKYブラザーはまたも俺の襟を鷲掴みにして叫ぶ。
「ファイナルアンサー!?」
ちょぉ待ち、俺、まだなにも答えてねーよ。
つかシワになるから離せSKY(使用例その2)。
その手をやんわりほどいて、俺はダチンコのテンションに圧されるまま答えた。
「…サマバケ?」
そう、夏休み。
十五の俺らには、中学校最後の夏休みなわけで。