臆病なサイモン









「…なんでこんなことに」

ぼそり。

そう呟いたのは、ダンゴだった。







今回の夏休みは、土日と祝日が続いたおかげで微妙に期間が長い。

ラッキー!…て程のもんでもないけど、まあミニラ!ラッキー!、てカンジだよな。


で、今日は八月十七日、金曜日。

終業式で午前帰りの日だってのに、時刻、午後六時過ぎの今、学校は随分と賑やかだった。

普段、校庭を強烈に照らしているライトが電源オフなため、いつもなら明るい校庭は今日ばかりは薄暗いまんま。

そんな校庭に集まっているのは、受験を控えた三年生と、ウワサを聞き付けて集まったらしい他学年のやつら。

中には、センセーも何人か居る。


―――つまり、今日は。





「第一回!にせんきゅう!サマーオバケ大会…略してサマバケ、始まるよー!」


うおおおお!


完全にアウェイなダチンコが、ジャングルジムのてっぺんから開会宣言したのが聞こえた。


あーあ、ひとりで吠えちゃったよ。


なんでこんなことになったかって?


…聞いちゃう?






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