臆病なサイモン









「…俺、まわるほうが良かった」


そんな中、俺とダンゴ、みんながわくわくしてる校庭からはるか離れた屋上で、なぜかふたりして待機中。



なぜかって?


なぜ…って。




「オバケ役」、だから。







「…サイアク」

保健室から拝借してきた真っ白なシーツを被ったダンゴが、舌打ちプラス悪態で俺を責めた。

ダンゴはハナっから『サマバケ』には不参加のつもりだったらしい。

が、世の中そんなに甘くなかった。

俺のコッペパンで散ったトマトスープのお詫びだかなんだか、バツが悪くなったダチンコがテンションに圧し任せて完全に強制参加状態、でダンゴを誘ったのだ。

あのダンゴがどんなに嫌そうな顔見せたって、一歩も引かなかったダチンコ、すげぇ。

なんちゃってダチンコ最強説、ここに誕生。


て冗談はさておき。



クジで敗けた俺たち、きゃあきゃあ言いながら廻ってくる同級生達を化かしてビビらせる役。

屋上までの道のりで散々消耗しきったやつらに、トドメ刺すのが、俺らの使命、ってワケ。


キまらねぇー。







< 129 / 273 >

この作品をシェア

pagetop