臆病なサイモン
そのまま停滞しちゃった空気に、なにか言わないと、って焦った。
けどその反面、ダンゴが口を開く邪魔をしたくない、とも思う。
それはなんとなく、ダンゴがなにかを言いかけているように感じたからで、だからって確信なんてないけど。
でも、だから、「声」を聞かなきゃ。
ダンゴが俺にそうしてくれたように。
ちゃんと、真っ直ぐ。
―――受け止めたい。
(俺みたいなやつに、そんなことできんかな…)
たかだかキンパツごときでメソメソしてるやつに、ダンゴの想いを受け止められるんだろうか。
(…そんなん、わかんねーけど)
やるならどうせ、全力で、受け止めたかった。
…クッサイこと言ってるぅー!ふぅー!小島ヨシオ!
でも、俺はそれだけダンゴの世話になってきたから、もしなにか彼女に礼ができるってんなら、精一杯、頑張りたいわけで。
…これ、俺、マジ。
「ホンダのことも、…あいがとさげもした」
ダンゴが俺に視線を向けて、小さく口角を上げた。
さげも?
「ありがとう、って意味だよ」
ぽかーてアホ面してる俺に、ダンゴが「宇宙語」の解説をする。