臆病なサイモン
「ダンゴだったら、なに願ったりする?」
切望する俺を他所に、ダンゴは思いの外、俺の卑怯なシツモンを真面目に考えた。
「…数秒で流れきっちゃう流れ星にどうやって三回繰り返せるかな」
なんて言いながら。
「やっぱ、妥当なとこで言うと」
ちらり。ダンゴが俺に目配せする。
その意図を、まさに天才的ヒラメキで察した俺は、タイミングを図るように口を開いた。
「「金金金」」
きんきんきん。
じゃねーぞブラザー。
タイムイズマネィ。
なんてよくラッパーは歌ってるけど、そんなの俺らにとっちゃ年寄りの冷や水ってヤツと同じくらい古臭い。
毎日毎日、本気でビビりながら駆け抜けてる俺らには、そんなこと考えて納得してる時間すら惜しい。
短絡的で現代っ子な俺らには、=時間、だとしてもやっぱ「マネィ」がイイ。
「ゲンナマ」。
南の帝王さながらにイイ響きじゃーん。
てな。
こんなこと言ってたら、「大人」は嘆くだろうか。
もっと夢を持て!
オマエ達には未来があるんだ!
アホらし。