臆病なサイモン










『君ならできるよ、サイモン』


それはサナギの俺の背中を押したのか、マンモス臆病な俺にトドメを刺したのか。


どっちだ?


(…俺にだってわかんね)


爽やかな太陽が燦々と照りつける空の下。

それが乱反射するタップタプの水面に脚だけ付けながら、俺は悩んでいた。






「サイモーン!サイモンサイモンサイモン!」


そんな俺を他所に、はしゃぎまくってるダチンコ達がプール利用者の波の中から手を振っている。



「サ・イ・モ・ンー!」


…日本人ばっかの中でそんなカタカタネーム呼ぶなよ。


ほら、みんな見てるじゃん!

しかもキンパだから、妙に「納得」顔されてんじゃん!

きまずぅ。


ピロシキキッキーンタムー!

…え?あ、これ?

なんか、呪文ぽいから…つい。ごめん。







「今から競争しよ!」

これ以上「サイモンコール」をされない為にも、水を掻き分けてダチンコの所まで行ったらなんか「そういうこと」になったらしい。

「ビリはマックで「スマイルゼロ円ください!」て言うことー」

しかも、罰ゲームがすげぇふりぃ。

まあ、昔を振り返るのはいいことだよな。







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