臆病なサイモン
ゴシックだロリだビジュアルだロックだ。
なんて言うこの世の中、見た目なんてさして重要な問題じゃあない。
ダチと連れ立って街に出りゃあ、ギンイロだかミドリだかグレイだか、既に人類を超越したアタマしたやつなんかごろごろしてるし、レインボーでフィーバーしちゃってるヤツに限ってはもう、脱帽もん。
ヘーイ、レインボー、お前を師匠と呼ばせてくれヨ。
でも世の中、ソーメンより細い髪の毛の色ごときで、ただじゃ済まねえ事態を引き起こしちまったやつだっている。
それは「アリ」か「ナシ」かで言ったら、優しい友人達は、「アリだろ?」って言ってくれるんだ。
感動してなみだ、でちまうよな。あ、目薬。バレた?
うんこれ、ロート製薬の新しいやつ、あのとろっとろの。うん、チョーきもちいよ。
あ、はなし戻すけど。
で、髪の毛の色がさ、違うわけ、生まれつき。人種的に完全にアウトな色してるわけ。
両親ふたりとも純然たる日本人で、二年前に死んだジィさんもバァさんもその更に前の「ひい」が付くジジババも疑いようもなく日本人だった場合。
自分の立場になって考えてみろって。
やっぱ……「ナシ」だろ?