臆病なサイモン
* * *
故意の悪意は、俺のガラスハートを粉々に砕く。
そしてそれは、トートツにやってくるんだ。
―――そんなサプライズ、要らねっつの!
―――ザワ…。
教室の辺りが妙に騒がしかった。
コウチョーセンセの「では皆さん、有意義な夏休みを過ごしてくださいね」、なんて在り来たりなフレーズで締め括られた集会を終えたあと、行きと同じように騒ぎながら教室へ戻る。
行きよりゆるい渡り廊下抜けてたら、他のクラスのやつらがバタバタ駆けてった。
「おい、イジメだってよ」
「黒板一面てマジ?見に行こうぜ!」
通り過ぎ様、そんな不可解な会話が聞こえた。
「なんだ、アレ」
…したら、俺らの教室に、違和感。
―――ザワザワ。
「うそ、ありえなくない?」
「なんか、こわいよね」
教室の周りに、他のクラスのやつらまで群がっていた。
ヒソヒソと話す女子達の会話からは要領を得ないし、何事?なんて隣のダチンコ達と顔を見合わせる。
さわさわ、奇妙な空気が、教室の中から漂っていた。
なになに、なにがあったワケ?