臆病なサイモン
―――結局、ホンダ主催のたちの悪い騒ぎは、あのあと駆けつけたセンセー達に鎮圧されて落ち着いた。
ホンダが俺に殴られた、とさんざ喚いたせいで、一応、俺の家に連絡だけ入れる、って形になっちまったけど。
ただ、ダンゴや周りで騒ぎを見てたやつらが、揃って俺を庇ったりしたから、センセーにしてみればほんと、形式上の連絡、てやつらしい。
「デリケートな受験生ですからね」
と訳がわからないセリフを吐きながら、センセーは何故か、満足そうな顔で俺を見てた。
で、そっちはなんとか落ち着いて全体的にモーマンターイな空気になったんだけど、問題がひとつ。
「…サイモーン」
ダチンコがにやにやと笑みを浮かべて俺の肩に手を回す。
「いつから段さんと仲良くしてたの?ん?吐・い・ちゃ・え・よ!」
「あの剣幕はただのダチンコの為ってカンジじゃなかったけどなぁ」
「実は付き合ってるとか!?誰にも言わねえからユー白状しちゃいなヨ!」
てな。
なんかもう、ウンザリアチチな展開。
お喋り好きの女子達が全校に俺の「雄姿」を伝えたらしく、瞬く間に広がった俺とダンゴの秘密の関係。