臆病なサイモン
だって無意識に、「こういうの」が、ずっと続くと思ってたから。
「俺、ダンゴとハイスクールライフ、エンジョイしたい」
他のダチンコと同じように、さ。
一緒に高校、行っちゃおうぜーなんて、甘い囁きじゃなくて。
ただ純粋に、ダンゴともっとたくさんの時間を過ごしてみたかったから。
「…じゃあ、進学する」
アレレ。
いい加減な答えに視線を向けたら、ダンゴはまたタオルで顔面を隠してた。
相当、バテてる。
「…進学しちゃう?」
そんなダンゴの顔を、こっち見えていないからって覗き込んでみた。
ぺちゃ鼻がタオルを小さく持ち上げて、なんかキュートだ。
「しちゃおーかなー」
俺より早く「ガリガリくんマンゴーDX」を完食したダンゴの唇からは、喋る度にマンゴーの香りがした。
垂らした髪の小さな束が皮膚に張り付いてて、やっぱセクスィー。
…うん、まだまだ思春期からは抜け出せそうにない。