臆病なサイモン









「……」

「……、」


そのままじわじわと睨みあうように視線を合わせて、ふたりして黙り込んだ。



(……俺、ダンゴには、きっと一生、勝てないんだろうな)

なんて、今から敗北宣言。

って、カレシみたいなこと言っちゃった。

ごめん、全然そんなんじゃないんだけど。




―――だから、だから、伝えなきゃいけない。





「でさ、俺、ダンゴにも言っておきたいことがあってね」


言うと、ダンゴは目力だけで、なに、なんて尋ねてきた。

こういうアイコンタクトで通じちゃうあたりが、無口になっちゃう原因なのかも。


…とか言いながら、実はそんなシンクロぶりがめちゃくちゃ自慢だ、ってのは、口にしたことないけど。




「俺、ダンゴにはちょー感謝してる」

ガリガリくんが溶けてたけど、気にしなかった。

雲が流れてカンカンと照りつける太陽の下で、聞いて欲しかったから。



「…うん」

ダンゴはそれを一瞥しながらも、また俺に視線を向けた。

この隠しようもない明け透けな目で見られると、なんかもう、グッとクるわけで。








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