臆病なサイモン
やほ、俺、サイモン。
ちょっと俺の話聞いてくんね?
あ、手間はとらせねーから。
うん、そう、ウケるよ。
武勇伝ての?
俺は、産まれつき髪の色がちょっとおかしい。
別にミドリだとかアオだとかアカとかってんじゃない。
チャイロが混じった、キンイロ、っていうか、なんかそんな感じ。
別に学校生活には問題はなかった。
先生もダチンコも、みんなこのアッタマわるそーなパツキンが地毛だって知ってたし。
ただ一個、最大の問題があるとすれば、俺がまっキンパツで産まれる要素が全くの「ゼロ」、ってこと。
「ゼロ」。
一個もない、とかじゃない。限りなく「ゼロ」に近いってんでもない。
「ゼロ」。
つまり、「ありえない」ってことだ。
でもだからって、嘆く必要はない。
「アリ」か「ナシ」かで言ったら?
なぁダンゴ、どう思う?
ちょっとユニゾンしちゃってみない?
そうそう、ソレ。
せーの…!
「「アリだろ」」
だよな、ブラザー!
オワリ