臆病なサイモン
「証明終了。私には、あんたが考えてることなんてなにひとつ解らなかったよ」
そんなんあの珍回答聞いてりゃ解るさ。
当てる気もなかったくせにいけしゃあしゃあなにゆってんだバカ!
どう考えてもネタじゃん。ネタ以外にないじゃん。
…とは言わなかった。
だってダンゴがなにを言わんとしているか、こんな時だけ鋭いらしい俺の直感は勘付いてしまったから。
ちくしょうダンゴのやつ。
「…イコール、テレパシーは存在しない」
無表情だった。
真面目な無表情で、ダンゴは言いやがった。
でもそれ、俺の「救い」だ、多分。
ダンゴの適当ぶりに実感は薄れてるけど、間違いなくファーザーゴッドの「救い」まがい。
「サイモンが怖がっていたのは、君が勝手に造り出した、」
黒だと思ってた眼球が太陽光に透けて、実は茶色なんだ、ってことを知る。
「キンパツの亡霊」
ブラザー、救いはここに、あったんだ。
「、」
無表情なチョコレートアイズに語られて、「キンパツの亡霊」は俺の中から風に吹かれて出ていった。
俺がちょっとだけベソかいたのは、あぁブラザー、どうか黙っててくれ。