アティア ー運命の恋ー
黒い男
忘れないよ。この個性的な恰好。
山梨じゃ浮くっつうの。
一度うちに来た時も、ママは露骨に嫌な顔をした。
そして、お兄ちゃんと上条さんが帰ってから、
「ああいう黒い服着た人と交際してはいけません」
ときたもんだ。
じゃあ、マイケルはだめなんだな。
マイケル黒い服きてたよ。
サラリーマンだってみんな黒い服じゃないか。
とか、つらつら思いだしてたら、ふっと肩をつかまれた。
「え、忘れちゃった?」
「いえいえ、覚えています」
「そうか、どうして来たと思う?」
「やっぱりお兄ちゃんのことで?}
「うん、正樹は死んだと思う?」
「え・・生きててほしいけど、毎日来る電話がおとといから来ないから」
「なるほどね・・・電話ね」
「で、お兄ちゃんは生きているんですか?」
「あのね、北朝鮮がミサイルを東京に打ったんだ。」
絶句した。
だって、ニュースにも新聞にも載ってないよ。
北朝鮮?
ミサイル?
実験してるだけで、大丈夫だったんじゃないの?
日本に撃てるの?
日本のほうが強いんでしょ?
頭悪いから難しいことよくわかんないけど、すごく混乱した。
「お兄ちゃん、ミサイルで死んだの?」
それで、役所が死んだって言ってきたの?
「お兄ちゃんの住んでた西葛西がやられたの?」
上条さんの腕をぐいぐいひっぱりながら、もう、言葉が止まらない。
「ねえ、どうなの、どうなの?」
上条さんはビー玉みたいに透明な目で、私を見た。
しばらく何も言わなかった。
「真樹ちゃん、一緒に東京に行かないか?」
私は上条さんと一緒に東京に行くことにした。
本当のことが知りたい。
忘れないよ。この個性的な恰好。
山梨じゃ浮くっつうの。
一度うちに来た時も、ママは露骨に嫌な顔をした。
そして、お兄ちゃんと上条さんが帰ってから、
「ああいう黒い服着た人と交際してはいけません」
ときたもんだ。
じゃあ、マイケルはだめなんだな。
マイケル黒い服きてたよ。
サラリーマンだってみんな黒い服じゃないか。
とか、つらつら思いだしてたら、ふっと肩をつかまれた。
「え、忘れちゃった?」
「いえいえ、覚えています」
「そうか、どうして来たと思う?」
「やっぱりお兄ちゃんのことで?}
「うん、正樹は死んだと思う?」
「え・・生きててほしいけど、毎日来る電話がおとといから来ないから」
「なるほどね・・・電話ね」
「で、お兄ちゃんは生きているんですか?」
「あのね、北朝鮮がミサイルを東京に打ったんだ。」
絶句した。
だって、ニュースにも新聞にも載ってないよ。
北朝鮮?
ミサイル?
実験してるだけで、大丈夫だったんじゃないの?
日本に撃てるの?
日本のほうが強いんでしょ?
頭悪いから難しいことよくわかんないけど、すごく混乱した。
「お兄ちゃん、ミサイルで死んだの?」
それで、役所が死んだって言ってきたの?
「お兄ちゃんの住んでた西葛西がやられたの?」
上条さんの腕をぐいぐいひっぱりながら、もう、言葉が止まらない。
「ねえ、どうなの、どうなの?」
上条さんはビー玉みたいに透明な目で、私を見た。
しばらく何も言わなかった。
「真樹ちゃん、一緒に東京に行かないか?」
私は上条さんと一緒に東京に行くことにした。
本当のことが知りたい。