K・o・M〜Key of Mind〜
第5話
「なにしてるんだよ?!…?!」
葵の服の下からは、防弾チョッキが姿を現した。
「…これが、うちの武器。
正直、武器じゃないんだよね。」
笑いながら、葵が言う。
どうやら、武器でないものが紛れているらしい。
「そうなのか…。
それで、オレになんで見せたんだ?」
洋一がごもっともな意見を述べた。
「うちと手を組んでほしい…。」
「…?!」
「うち、頭も良くないし。
武器もない。勝てる自信が無いんだ。」
「それで…オレに手伝えと?」
「…コクッ。」
静かに、首を縦におろす。
洋一の頭で色々な思考が、コンピューターのようにめぐる。
使えない人間と組んだところで、何も役に立たない。
しかも、この数時間で出会った奴を信じろと?
「って言っても…
うちの事、信じられないよね?」
「それはそうだ。」
冷たく言い放ち続ける。
「お前と組んだところでオレには…
なにも有利になることが無い。」
「…うちは、クリアーした時の賞金はあなたの半分でいい。
これで、あなたには得ができたよね?」
「まぁな。ただ信じられないし、有利にもならない…。」
正直、ごめんだ。
二人でやっていくのは、予想以上に大変だ。
すると、葵は更に驚く行動に出た。