K・o・M〜Key of Mind〜
すると
ドアからは、全身黒のスーツで身をまとった男が覗いている。

「体付きのいい男だな。」

黒いスーツの男が、叫ぶ。

「ーー洋一!どこにいるんだ?!
でてこい!」

「んっ!!?
あいつ、俺の名前を知ってやがる。」

洋一と呼ばれた男は、とっさにクローゼットに隠れていた。

「佐藤 洋一!早く出てくるんだ。
入るぞ。」

黒いスーツの男は、部屋に入ってくる。
手元を見ると、拳銃を持っている。

「はぁ?!
拳銃か…おとなしくしたほうがいいな。
何か知ってるだろうし。」

自分の名前は、佐藤洋一[さとうよういち]と言うことと、相手には、かなわないことを認識した、
洋一は、クローゼットから静かに出た。

「お兄さん、俺のことを知ってるんだね?」

洋一は、両手をあげて男に近寄った。

「佐藤 洋一、さぁくるんだ。」
男は話を聞こうともしない。

「いやだね。
俺が誰なのか。
貴方の名前。
目的。
それが聞けなきゃ、行かないよ。」

男は、洋一に拳銃を向ける。

「お前に、教える義務はない。
そうだろう?」

しかし、拳銃に怯むことなく睨み続ける洋一。

「そうかもな。
でも、俺には記憶もない。
貴方達が、何をしたいかくらい聞きたくなる。
普通ならそうだろう?」

男は、ふんっと鼻を鳴らし
口を開いた。
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