FLOWER
「リオ、さっきから暗いけど大丈夫?」
放課後、妃が隣から頭をヒョコッと出してくる。
妃の手には鞄が握られていた。
「え?…あ、うん。大丈夫」
私は曖昧に返事をして、すぐに鞄に道具をつめた。
「そっか…。あ、明日は悠平と2人の撮影があるでしょ?」
「え?…あったっけ?」
楽しそうに話す妃をよそに、リオは俯きながらきく。
「明日、全部聞いちゃおう!」
妃の満面の笑みに私は頷くしかなかった。