FLOWER
「燈織?どうし…」
その時、聞きなれている声が耳に入った。
「やだぁ、悠平くんっ!部屋から出ちゃ駄目って言ったのにっ!」
燈織の口調が一気に変わる。
視線を移すと、階段の一番上に悠平の姿があった。
久しぶりにみる悠平は、前と変わらずかっこよくて…
「リオ…?」
悠平は燈織の言葉には目もくれず、リオに視線を移した。
「…燈織、約束が違うんだけど?」
悠平が燈織の向かって冷静で冷たい言葉をかけた。
今までで聞いたことのない悠平の声だった。
すると燈織は一瞬ビクッ、とするとそのまま俯いた。