FLOWER
「…あたしは小さい時から、悠平くんのことみてたのに…。こんなフラッと現れた女にとられるなんて酷すぎるわよ!」
彼女は睨むようにしてリオをみつめた。
…どういうこと?
ただのお見合い相手じゃなくて、許嫁だったってこと?!
「そんなの、ずっと悠平クンを繋いでおかない彼方が悪いんでしょ?」
それを横目でみていた妃が、リオの前にかばうようにして立ちはだかった。
「何よっ…彼方達に何がわかるって言うの?!これで婚約できなかったらあたしはっ…」
「燈織、いい加減にしろ」
燈織が何かを言いかた途中に、悠平がため息をついて遮った。
「…っ」
彼女は悔しそうに悠平を睨みつけると
「もういいわよ…。さっさと連れて帰ればいいじゃない」
と言って、階段を颯爽と上っていった。