FLOWER
「あのっ…リオちゃんと、悠平クンですよね?!」
2人で近くのベンチに座っていると、数人の女子高生に囲まれた。
「いつも『FLOWER』みてます!本物だとやっぱり細いーっ」
…何か動物園にいるパンダの気分。
私はこういうのはあまり好きじゃないけど、悠平はいつもの営業スマイルで女の子を悩殺していた。
「あー…ありがと」
「これからも2人のラブラブな報告、雑誌で拝見しますんで!」
彼女達はそう言うと、こっちを何度か振り返りながら去っていった。
「…ラブラブな報告だって」
悠平はずっとクスクス笑っている。
「ていうか、ラブラブな報告とかした覚えないんだけどっ」
リオは少し膨れっ面で呟いたが、すぐに吹きだして笑ってしまった。