FLOWER
「あっ…あのお休みされた分のノートとっておきましたっ!」
隣のちょっと背が小さめの女の子が、ノートを差し出してくる。
「え?…ありがと」
ニッコリ笑ってから、ノートを受け取るリオ。
何か敬語で喋られると壁がある気がして嫌なんだけどな…。
「あー、いいなぁ。私にも後で貸してねっ?」
妃が羨ましそうな声でリオの長い髪を後ろから引っ張る。
「どうせ、誰かから貸してもらえるで…」
「私もノートとっといたんで、よかったらどうぞ!!」
リオが言いかけたとたん、妃の席の隣の女の子がものすごい勢いでノートを差し出してきた。
妃はクスクスと笑いながらそれを受け取っていた。