恋する笑顔【短編】
「…っはぁ~……」
「オイオイ、どうしたんだよコウタ?さっきからため息ばっかりついて。悩みでもあんのかぁ?」
「いや……別に………………はぁ……」
「やめろよもう!こっちまで暗くなるだろ!つーか暗いとかコウタらしくねえよ!」
「だよなぁ…」
ケースケの言うとおりだ。
俺、絶対おかしい。
だってさ、朝学校に来て真っ先に松永の席確認しちゃうし?
授業中も松永の後ろ姿見てよからぬことばかり考えるし?
ケースケや女と話しててもチラチラ松永を見ちゃうし!?
どうしたよ、俺。
ヒトメボレなんかするキャラじゃねえだろ。
ちゅーか恋とかないだろーーー!!!
って心の中で叫んでる今も見ちゃってるし…。
冗談じゃねえよ。
どうしたらいいんだ?
恋なんてしたことねえんだよ。
まだ恋と認めたわけじゃないけどさ。
しかも相手は彼氏持ちだぜ?
あんな笑顔見せられるような……
「………」
「コウタお前顔赤いぞ?熱でもあんじゃねえか?風邪ひいた?」
「かもな…」
そうだよ
これは風邪だよ。
動悸に発熱。
ほら、きっと風邪だ。