恋する笑顔【短編】
ああくそっ!!
何で俺がこんなに悩まなきゃなんねえんだよ!!
これも全部松永があんな顔で笑うからだ!!
半ば無理矢理な理由をつけ、松永の席に目をやった。
「…あれ」
松永がいない。
どこ行ったんだ?
いつも休憩時間でもめったに席を立ったりしないのに。
ガタッ
気づくと、椅子から立ち上がっていた。
探さなきゃ。
なんでだか、そう思った。
「おい、コウタ!?」
ケースケの声を無視して、俺は夢中で教室を飛び出した。