恋する笑顔【短編】
高校入学してまだ間もない5月。
俺のクラスには変わった女がいる。
「松永さん」
教科係の女子が彼女を呼んだ。
松永は読んでいた文庫本から目を離し、その女子を見据えた。
「松永さん、グラマーのプリント出した?集めてるんだけど」
「出さない。」
即答。
「あ、そう」
松永の即答ぶりに気分を悪くしたのか、納得しきらない顔で教科係の女子は彼女から離れて行った。
そう
松永サナは極めてクールだ。