セクハラ彼氏は会社の上司

普段会う時は会社で、それ以外のとこで会うことなんて、まったくない。


だから、こうやって小さい空間の中で二人きりなんて、

今にも心臓が飛び出るくらいすごいことなんだから……



「可愛い」

ドキドキしながら待っていた返事は、ソレで。

あたしは秋の胸を叩いた。


「ヒドイ……」

頑張って本音言ったのに。


可愛い、なんて……


「ごめん。だって……まさかそう思ってるとは思わなかったし、嬉しいよ?」

そっぽを向くあたしに秋さんは言った。


「……やだ」

それでも機嫌をなおさないあたし。


「どうすれば許してくれる?」

どうすれば、って……


「こうすれば許してくれる?」

え??


驚いて秋さんのほうに顔を向けた途端、

唇を押し当てられた。



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