セクハラ彼氏は会社の上司
なんてもちろん言わず、プルタブを開けた。
「「あのさ」」
二人言葉が重なり、先にどうぞと譲り合い。
結局隆起君から話すことになった。
「西折さんって、誕生日いつ?」
「あたし?あたしは、七月だけど」
「もうすぐじゃん!」
確かに。
来月だ。
「それだけ聞きたかったんだ。で、西折さんの話しは?」
遂にきたか。
あー……なんか緊張する。
「あ、あのね。なんか紫苑ちゃんが、おいしいお店みつけたらしく、隆起君と一緒に行きたい……って」
が、頑張ったあたしっ!
「崎宮さんが?」
「うん」
「西折さんも行くの?」
「え?あたし??あたしは行かないよ」
紫苑ちゃんは隆起君狙いなのに、邪魔でしょ。
「そっか。いいよ行く」
「ほんと!?」
よかったぁ……
ほっと肩を撫で下ろしたとき、
「ただし、条件つき」
ニヤッと口角を上げて隆起君が言った。