セクハラ彼氏は会社の上司


「もしもし」

『もしもし、玲那?仕事終わった??』


秋さんのいつもの優しい声を聞いて、胸がズキンッと音を立てる。


「あ、うん、今終わったよ」

『ほんと?俺も今終わったから、ご飯でも食べに行かない?』


ご飯か……

どうしよう。


行きたい。

行きたいけど……今のあたし大丈夫かな……色々と。


でも、久しぶりだし逆に気が楽になるかもしれない。


「うん、大丈夫だよ」

『ほんと?じゃぁ、8時に下ね』


それに対し、わかったと答え電話を切った。


「ふぅ……」


8時まで5分もない。

あたしは不安と期待を抱え、下へ向かった。



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