セクハラ彼氏は会社の上司


「……め、なさい……」

ああ、自分てなんて馬鹿なんだと思いつつも、流れる涙を抑えることが出来なかった。


そんなあたしを、秋さんは優しく見つめてくれて、

それがどうしようもなく申し訳なくて、また涙が溢れ出す。


「あたしっ……昨日家でごろごろしてたなんて嘘なんですっ!ほんとは、隆起君と会っててっ……それで、大切な人を傷つけてっ……!!」


あたしが泣いていいわけがない。

こんな馬鹿で阿呆で、どうしようもない自分、泣くなバカっ!!

だけど、秋さんがあたしの手を優しく握るから、止めようとする涙が流れ出す。


「そっか。でも、玲那だけが悪いわけじゃないでしょ?」

「あたしが全部悪いのっ!!あたしがっ……あたし一人のせいでっ……!!」

「どうして?」

「あたしがっ、もっと周りの気持ちを考えてたらっ……!」


こんなことにはならなかった。


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