セクハラ彼氏は会社の上司


“迷惑をかけたくない"

そう言って結局は迷惑をかけてる。


“自分でなんとかしなきゃ"

そう言ったのに、実際は誰かに助けてほしかった。


泣きたかった。

でも泣いていいわけなくて。


泣きたいのは紫苑ちゃんや秋さんなのに。

辛いのはあたしなんかじゃないのに……


こうやってまた甘えてる。




「隆起君、その人と会ったのにも、色々あったんだろ?」

その秋さんの言葉に、あたしは小さく頷いた。

そして、こうなったいきさつを全部話した。


話しを聞いた秋さんは複雑そうな顔をした後、チラリとこちらを見て、そして、

あたしを優しく抱きしめた。


「その隆起っていう後輩が悪い」

ムスッとした不機嫌な声に、あたしは秋さんの胸の中で

「ど、どうしてっ??」

と聞いた。


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