セクハラ彼氏は会社の上司

「なのに私……何も知らないで玲那ちゃんに酷いこと言って……」

今にも泣き出しそうな……いや泣いている紫苑ちゃんを優しく抱きしめた。


「ううん、あたしこそ、ちゃんと言わなくてごめんね」

あたしのその言葉に、紫苑ちゃんは何度も首を振った。


「昨日隆起君から電話があって、玲那ちゃんはなんも悪くないって……。それで話し聞いて、私……酷いことしちゃった、って思って……」

「そっか……。ありがとう」


仲直り、かな?

あれ、でもちょっと待って。

「なんであたしと紫苑ちゃんの状況隆起君知ってたの?」

「あ、確かに。忘れてた」


なんでだ……?

喋ってないよね?あたし。


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