あたしモデル、幸せって何ですか！？

プルルルル♪

「もしもし、アンナか。パパだ。」

「どーしたの突然？」

久々の父との会話にアンナは少し動揺した様子だった。

「元気だったか？」

「私は元気よ。家族に何かあったの？」

アンナは緊急事態でもない限り父が連絡してくるはずがないと確信していた。

「カンナが病気なんだ。肉体的な病気じゃなくて、ちょっと精神的にやられてる。」

父はアンナにこれまでの経緯を話した。

「このまま回復まで仕事を休んでしまうとカンナの戻る場所がなくなる。復帰するまでの代役をお前に頼みたい。」

「ちょ、ちょっと待って。私もうモデル辞めて五年も経つのよ？だいたい私が出てってどーしろって言うのよ。めちゃくちゃになっても知らないよ！」

「もう既にめちゃくちゃだからその心配はない。もうこのままじゃカンナの芸能界復帰は完全に無理だ。お前が最後の望みなんだ！！」

「なーに大げさなこと言ってんのよ。そんなこと言って私おだてて東京にひきもどそーってんでしょ。とりあえずカンナのことはちょっと心配だからそっちに行くわ。」