あたしモデル、幸せって何ですか！？

「無理よ、そんなの。どうせあんたも私の二の舞になるだけ。やれるもんならやってみればいいわ。私の負の遺産をあんたが受け継ぐって言うなら。」

二人の大声が部屋の外まで響き渡り、父が止めに部屋に入って来た。

「いい大人が二人、病院でケンカはやめろよ。」

「パパ、明日からカンナは山梨ね。ペンションの絹子ママには私から話しとくから。あと、カンナが入る予定だった仕事のスケジュール教えて。私がすべて代役になるから。問題あれば言って。直で交渉するし。」

父は何がアンナの気持ちを変えたのか疑問に思いながらも何とか望みをつなぐことができて一安心した。

「何とでも好きなよーにすればいいわ。」

カンナはもう失うものはない、と投げやりになった。