あたしモデル、幸せって何ですか!?
「顔を上げて。許すもの何も、私は別に全然怒ってないわ。私自身が悪かったと思ってる。」

カンナの予想外の言葉に高瀬は驚いて顔を上げた。

「あなたのこと、何も見てなかった。ただ外見と肩書きと将来性を勝手に判断して、私の中で勝手に高瀬という人を作り上げて恋して依存してたんだもん。今となったら捨てられて当然だったと思う。あなたにはいろんなこと教えてもらって本当に感謝してる。ありがとう。」

昔のカンナに見られなかった余裕がエレガントに感じられ、結婚生活が上手くいってない高瀬は内心カンナと寄りを戻したい気持ちさえ芽生えてた。しかし、カンナはもう自分より遠い存在にいる。そんな気がして想いを打ち明けようかどうか困惑した。

「あのさ、」

高瀬が言いかけたところでアンナが楽屋に入って来た。

アンナは高瀬に気がつくと強烈な睨みで高瀬をビビらせた。

「来てくれて、有難う。」

カンナの言葉が別れの挨拶に聞こえた高瀬は「じゃ、また。」と行って足早に去った。
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